名友報120号 「新春クイズ」 解説
今回は、ちょっと難しい問題と思われたのか、いままでになく応募が少なかった。次回の出題は、少し考えたい。
第1問
次の文章は、著名な日本文学作品について、外国生まれの文芸評論家による書評の一部分です。
書評の対象となっている著者名と作品を答えてください。
正解 著者=坂口安吾 著作=桜の森の満開の下
出典は、ドナルドキーンの「日本文学史 第五巻 近代・現代編」(中公文庫)。引用が短いため、難しくなった。坂口安吾などは読んだこともない人が多いかもしれない。難しいのは、坂口安吾になじみが薄かったからかも。ヒントは、「満開の桜の下で宴会をする風景」、これで坂口安吾を連想できれば、文学通。「満開の桜」から、連想を広げていけば「桜の森の満開の下」にたどり着くかも。
第2問
2%の食塩水と7%の食塩水を混ぜたら、4%の食塩水が500gできました。混ぜてできた食塩水の食塩の量は何gですか。また、元の2%の食塩水の量は何gだったでしょうか。
そろそろ塩分濃度の問題が出ると予想していた人もいるでしょう。この種の問題は、「文系」とくくられる人々が苦手にしている。私も好きではなかった。
しかし、方程式を覚えた人には、実は難しくない問題。
濃度は、 食塩の量 ÷ (水の量+食塩の量)
だから、 (水+食塩)の量 × 濃度(%) で 食塩の量がわかる
500g × 0.04 = 20g ⇒ 食塩の量
2%の食塩水の量をxg、食塩の量をPg、7%の食塩水の量をYg、食塩の量をQgとすると、
X+Y=20 P+Q=500 という式ができる。
ここで、2%の食塩水とは、 食塩の量÷(水+食塩の量)= 0.02
だから、 X ÷ P = 0.02
同様に、7%の食塩水とは、食塩の量+(水+食塩の量) =0.07
から、 Y ÷ Q = 0.07 となる
当初の設定から Y = 20 - X
Q = 500 ― P
(20-X) ÷ 500-P = 0,07
X= 0.02Pを代入すると
(20-0.02P)÷ 500-P =0.07
20-0.02P = 0.07(500-P)
=35 - 0.07P
- 05P =35-20
P=300がでる。
また、問題の外であるが、 X=0.02Pから
X= 6 Y= 14 もでる。
四元一次方程式だから、多少計算は面倒くさいが、難しいことではない。
しかし方程式を使わないで解くことをおすすめする。
(別 解)
天秤ばかりで考えてみる。 2%の濃度の食塩□gと7%の濃度の食塩〇gが4%のところで釣り合っている。
□g × a = 〇g × b
□ : 〇 = 3 : 2 がわかるので、
500gを 3:2 に分けると、
第3問
農業生産物ですが、世界では、生産量に比して食用として消費される率は高く
ありません。日本国内の自給率は約7%ですが、所要加工品としてすごく多様な
消費をされます。日本で最も生産量が多いのは北海道です。幕末に黒船で来訪し
たペリーが帰国する際に持ち帰って、いまやアメリカが世界有数の生産国にな
っているといわれます。どんな農業生産物につい手の説明でしょうか。
問題として難しくはないと思います。ペリーが持ち帰って、アメリカでの生産
が始まり、いまや有数の生産国になっている、というあたりが面白くて出題しま
した。業界の受け売りをしたのですが、調べてみると、ペリーの前に、嘉永4年、
難破遭難した栄久丸という船の濱田彦蔵という人が、アメリカ船に救助され、持
っていた大豆を謝礼に贈ったことから、イリノイ州で生産されるようになった
との記録がある。ペリーは嘉永6年であるから、難破船より少し遅れている。
大豆の加工品は、発酵するものに、味噌・醤油・納豆など、発酵をともなわな
いものに、豆腐やがんもどき、豆腐の加工商品としておからなど、いろいろな食
べ方をされている。世界的には、油脂やバイオディーゼル燃料、家畜の飼料に使われる。(農林水産省の資料) 平成26年の統計ではあるが、生産量の1位はアメリカ、2位がブラジル。3位アルゼンチンで、世界の8割を生産。消費は1位中国、2位アメリカ、3位アルゼンチンとなっている。ブラジルの生産が多く消費が少ないのは、日本が大豆の生産の後押しをして生産が広まったことで、輸出食物として生産されたことによるのではないか。日本の輸入は、アメリカに次ぐ2番目。